食をはぐくむ栄養士コラム

手づかみ食べ

こんにちは キューティー市川園 栄養士の中村です。

 

第2回コラムのテーマは 手づかみ食べ です🖐🏼

園で人気の手づかみ食べレシピもご紹介します!

 

園では子供たちが安心して食べることの出来る

【ごはん(給食)】【環境】

を作れるよう、日々努めております。

 

4月入園当初の子どもたちは、自分がこれまで生活してきた家とは違う環境、はじめましての先生やお友達、ごはん(給食)も…

いつもと違うお皿やスプーン、家で食べているごはんと違うことに、とまどっている姿もみられました。

 

しかし、慣らし保育の期間を経て子どもたちも園に少しずつ慣れてきた様子です。

園生活に慣れると同時に、給食の時間に自分からお皿に手を伸ばしている姿がみられるようになってきました。特に1歳児クラスのテーブルでは…

 

〇たべものを手でつかんでなげる

〇にぎってつぶしてみて、その手を広げて見ている

〇いちど口に入れたものを出して見ている

〇スープに手を入れる、こぼしたスープを広げている

〇お皿をひっくり返して空っぽにしている

 

このような行動が見られた時、園ではすぐに止めず、まずは子どもの様子を見守るようにしています。

今回のテーマ「手づかみ食べ」の時期に見られる行動だからです。

9~11ヵ月頃になると食べ物を認識して手を出すようになりはじめ、1歳~1歳半頃には積極的に手づかみをして食べる姿が見られるようになってきます。

 

「手づかみ食べ」の時期は、食べ物をなげたり、つぶしてみたりもするので、大人からすると食べ物で遊んでいるように見えるかもしれません。

 

しかし、これらの行動は食べ物の形や硬さ等を確かめるためのものです。

「遊んでいる」ように見える行動も子どもにとっては大事な成長過程です。

 

目で見て→手を伸ばして→つかんで→口に運び食べる という一連の動作は、

身体のいくつもの機能を同時に使う実はとても難しいことです。

はじめは口に上手に運べず何度もこぼしてしまいます。

繰り返し行うことで、手の動かし方や物の距離感等を学び、食べ物を知り、自分で食べられることで食べる意欲も高まります。

 

「手づかみ食べ」は「自分で食べる」ことのスタートです。

 

子どもたちの「自分で食べたい」気持ちをサポートしながら、積極的に「手づかみ食べ」をさせてあげたいと思っています。

 

それでは、ご家庭で手づかみ食べを実践する場合はどのように進めたらよいのでしょうか?

 

【 手づかみ食べを進める際の注意点 】

〇安定した姿勢で食事をする…足が床についている、またテーブルとお腹が離れすぎていないようにしましょう。安全面とあわせて食事に集中することができます。

 

〇食事時間を決める…食事の時間は20~30分を目安にしましょう。子どもが集中出来る時間、また様子を見て切り上げましょう。食事時間が長くなると子どもは疲れてしまいます。

 

〇テーブルの上はシンプルに…食事に集中出来るよう、おもちゃなどは片付けましょう。また、テーブルに落ちたものも食べてしまいます。テーブルの上も清潔にしましょう。

 

〇爪のチェックと手洗い…爪が伸びていると、顔や口を傷付けてしまうことがあります。子どもの爪が伸びていなかをチェックしましょう。また色々なものを触って学んでいます。手をしっかり洗いましょう。

 

〇硬さや大きさ等は子どもに合わせる…月齢の目安はありますが、食事には個人差があります。子どもの成長に合わせた硬さや大きさに調整しましょう。

 

〇必ず見守っている…子どもは、まだ自分のひと口の量が分かりません。口に入れすぎてしまうことがあります。子どもが食事をしている時は目を離さないようにしましょう。

 

 

【 手づかみ食べの練習ポイント 】   

〇子どもがにぎった手から少し出る長さのスティック茹で野菜は前歯でかじりとる練習になります。また、あえて同じ大きさに切りそろえずに、色々な形にしてみるもの楽しいですね。

 

〇スープにも手を入れます。具だけを別皿に取ってあげたり、熱さに気を付けて汁は少量入れてあげたりしましょう。

 

〇お腹がすいている食事の最初がいちばん食べる意欲があります。そのタイミングに手づかみ食べしやすいものを子どもの前に置いてあげてみましょう。

 

 

 

 

1食すべてを手づかみしやすいメニューにするのは大変です。どれか1つだけ、また切り方、盛り付けを変えるだけなど、大人が頑張りすぎないことも大切だと思います。

 

 

 

【 1歳頃からの手づかみ食べにピッタリ!園で人気のメニュー紹介 】

 

納豆おやき

■材料(作りやすい分量)

〇薄力粉 50g

〇水 70g

〇ひきわり納豆 1パック(40ℊ)

〇チーズ(1才チーズを使用)2枚(24ℊ)

〇しらす 小さじ2程度

■作り方

① 薄力粉に水を少しずつ加え混ぜ、トロリとした生地を作ります。

②①の生地にひきわり納豆、しらすを加え混ぜ、チーズを小さくちぎりながら加え混ぜます。

③フライパンに油(材料記載外)をひき生地を丸く広げて両面を焼きます。

④ 食べやすくカットして出来上がりです。

 

💡ポイント💡

チーズが溶けてながれてしまうので、荒熱がとれてからカットしてください。

刻んだ野菜を生地に加えて作るのもおすすめです。

 

しらすのチーズトースト 

■材料(作りやすい分量)

〇サンドイッチ用食パン(12枚切り) 1枚

〇チーズ(1才チーズを使用) 1/2枚

〇しらす 小さじ1程度

〇青のり 少量(焼き上がりにふります)

■作り方

① チーズはレンジにかけやわらかくし、しらすを混ぜます。

② 食パンに①を均等に塗り、約1㎝幅の短冊にカットします。

③ ②をトースターやオーブンで色を見ながらトーストします。

④ 焼き上がりに青のりをふります。

💡 ポイント💡

②でカットしてから焼くことで、カットした面もトーストされ、サクッと仕上がります。

「手づかみ食べ」が進んでくると、スプーンやフォークも使ってみたくなってきます。

はじめはスプーンを持って自分で食べたいと思っても、うまく口に運べず、スプーンを投げてしまうこともあります。このもどかしい体験もとても大切なことだと思っています。

 

大人はこれまでは子どもの前からの手助けでしたが、後ろからスプーンを持つ子どもの手に、そっと手を添えほんの少しだけ口の方へ誘導してあげてみてください。

手づかみ食べをたくさんしてきた子どもは自分の口はこのあたり!としっかりわかっています。

 

そして自分で食べる意欲も育っています。上手にスプーンを使う姿に驚かされます。

もし子どもが食べ物をつかんでずっと遊んでいるように見えたら、

いちど大人も一緒に手づかみして口に運ぶ様子を見せてあげて下さい。

 

 

子どもはマネをすることが上手です。

 

大人からするとテーブルや椅子が汚れてしまうと掃除が大変になるのでなるべくキレイに食べてほしいと思いますよね。

 

今は袖までカバーできるエプロンやテーブルに吸盤でくっつけることができるランチョンマットなど、便利な商品が沢山あります。

 

食事は毎日のことですので、大人が無理せずに続けていけるやり方を見つけ、子どもと一緒に食事を楽しみませんか。

 

 

〇キューティー市川園 栄養士 中村先生〇

 

栄養士資格を取得の後、飲食店のメニュー開発に従事。

2018年保育ルームキューティーに入社。

保育園での勤務をきっかけに、幼児食インストラクター、アレルギー対応食アドバイザーの資格、食育インストラクタープライマリーを取得